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予防接種

 

予防接種(ワクチン)接種につきまして

1, ワクチンの意味や目的

そもそも(痛くてかわいそうだし、面倒だし、忙しい中時間を作って、かつ、他にカゼの患者さんもいる病院に行ってまで)なぜワクチンが必要なのか?

乳幼児期、特に乳児期にはさまざまな感染症に罹患します。繰り返し罹患するうちに病気にかかりにくくなってゆきます。一方で、感染症にはいわゆるカゼのような軽い疾患から、現在でも確実な治療法が存在しない重い疾患(重篤な後遺症を残す・命を落とす)まで、様々あります。重い疾患のうちワクチンで予防できるもの(具体例は「スケジュールと特徴」にて後述)がワクチンの対象となっています(ワクチン効果の例:Hibワクチン導入後、Hib髄膜炎発症が年間600-800人程度からほぼゼロに減少)。又、皆が接種すれば社会で病気が流行することを防ぐことが出来ます(集団免疫といいます:例:乳幼児肺炎球菌ワクチン普及による高齢者肺炎球菌罹患者の減少、2015WHOにより麻疹排除状態認定)。

このように、個人・集団を重篤な、時に致死的な疾患から守る目的でワクチンは必要です。ちなみに当クリニックでは建物設計当初から「健康な方を出来るだけ院内感染から防護する」事を考え、一般診察室とは別に予防接種室を設置・活用しております。

 

2, ワクチンの種類

ワクチンの性質から、生ワクチンと不活化ワクチン

法的な面から、定期接種と任意接種 に分類されます。

 

生ワクチンと不活化ワクチン

ウイルスを例とします。ウイルスは構造がごま団子と似ています。表面のごまを用いて、細胞に取り付き感染します。中身のアンコを用いて、細胞内の工場を乗っ取り自分の分身を増殖させます。

生ワクチン:ごま団子全体に処理を加え十分弱毒化したもの=「ワクチンに含まれているウイルス等にごく軽く罹患する。実際に症状が出ることは少ない印象。」「1回で効果が比較的持続」

例:ロタウイルス、BCG、麻疹風疹(MR)、みずぼうそう、おたふく

不活化ワクチン:ごま団子の皮のみ(処理を加えたもの)=アンコがないので増殖はしない=「ワクチンが原因ではその疾患に罹患はしない。し得ない。免疫反応は起こる。免疫原性はあるが病原性はない。」「時に接種当日翌日に発熱。」「十分な効果を得るには複数回の接種が必要。」

例:Hib、肺炎球菌、B型肝炎、4種混合(DPT-IPV)、2種混合(DT)、日本脳炎、子宮頸がん、秋から冬に接種するインフルエンザウイルス

例2:「インフルエンザウイルスワクチンを接種したら熱が出ました。ワクチンでインフルにかかっちゃいましたか?」「『ごま団子の皮だけ』で出来ているインフルワクチン接種が原因でインフルには感染し得ませんから大丈夫です!」

接種間隔につきましては、現状、・「生ワクチン接種後は27日以上、不活化ワクチン接種後は6日以上間隔をあけて接種(2020101日からルール改正予定)」・「同じワクチン同士はそのワクチンのルールで(例:Hib初回と2回目は27日以上あける)」となっています。

 

定期接種と任意接種

定期接種:予防接種法で「接種する努力義務がある」と定められた接種です。全額(から一部)公費負担です。小児の範囲では現状、全てのワクチンで患者さん自己負担(=支払い)なしです。(幸い私は経験ないですが)接種に伴い不幸にも亡くなられた場合の救済措置が手厚いです。

任意接種:個人の意志で受ける接種です。原則自己負担(=支払い発生)。市長村によって補助が出る場合ありです。

 

3, 接種にあたり用意して頂くもの

・予診票(定期接種:坂戸市鶴ヶ島市については当クリニックに予診票あり。坂戸市鶴ヶ島市以外の方は必ずご持参下さい。ちなみに相談の結果、予約以外の接種も同時に接種できる場合もあり他種類の問診票も一応持参されることをおすすめします。)

任意接種全般については当院に予診票ありです。)

・母子手帳

・接種前の授乳・飲食はお控えください(特にロタウイルスワクチン前)。

(・服薬中の場合はお薬手帳)

 

尚、下記の場合、接種は難しい場合があります。

37.5℃以上の体温

・γグロブリン大量療法(川崎病やアレルギー性紫斑病等)後、一定時間が経過せずに生ワクチン接種。

・以前同じ成分を含むワクチン接種時にショックを起こした・成分に過敏な反応を示したことがある。(迷走神経反射による失神等とは鑑別要)

・免疫不全・免疫抑制剤や抗がん剤治療中の方に生ワクチン接種。

・妊娠されていることが明らかな方への麻疹・風疹ワクチン等。

下記の場合、問診診察後に接種の可否を決定致します。

37.5℃の体温だが本人にとっては平熱です。

・カゼを引きましたが解熱後1週間経過し咳鼻水も落ち着いてきました。

 

4, 同時接種・推奨接種スケジュールとそれぞれのワクチンの特徴

同時接種につきまして

「同時接種による接種効果の減弱・副反応の増強なし」「(現状日本で通常に施行されているワクチンについては)組み合わせや本数に制限なし」「接種に伴い消費する免疫は非常にわずかで大勢に影響はない」「特にHib、肺炎球菌、百日咳は乳児早期に免疫獲得・予防を確立する事が児にとって非常に有益である」という認識に立ち、私自身は基本的に推奨する立場です。そもそも4種混合ワクチン・MRワクチン等、複数種類の抗原が混ざっているワクチンは通常に接種されております。

最終的には親御さん・保護者さんの希望を尊重しております。

スケジュールにつきましては、親御さん・保護者さんご自身のみで組み立てられるのは大変かと存じます。当クリニックでは初回接種時にスケジュールを説明するようにしております。 「Know! VPD」というサイトの表がとても分かりやすく、おすすめしております(当クリニック推奨スケジュールもほぼこれに沿っています)。

VPDvaccine preventable diseases 「ワクチンで予防できる病気」

スケジュール表:http://www.know-vpd.jp/dl/schedule_age7.pdf

 

・生後2ヶ月:以下の4つを接種しましょう

Hibワクチン (定期・不活化):

Hib:菌を鼻腔や喉に保菌している人もいて飛沫(せきやくしゃみ)感染します。

乳児期にかかりやすいインフルエンザ桿菌(冬に流行するインフルエンザウイルスとは違います)のうち、特に髄膜炎(脳や脊髄を浮かべる液体や周囲の膜に細菌が増え結果後遺症を残したり亡くなったりする。治療が難しい。)を起こすb型細菌を予防するワクチンです。

Hib髄膜炎発症が年間600-800人程度から2014年時点で報告数ゼロに減少、と発症予防に非常に貢献しているワクチンです。半数以上が1歳までに罹患します。出来るだけ早めに開始したいワクチンです。

 

肺炎球菌ワクチン(定期・不活化) PCV13 pneumococcal conjuate vaccination 13

肺炎球菌:髄膜炎・敗血症・肺炎・中耳炎などの起炎菌です。肺炎球菌は株の種類が多数あり完全な封じ込めが難しい中、肺炎球菌による髄膜炎は2014年時点で約7割減となりました。現在のワクチンには13種類の菌株が入っています。(以前は7種類でした。メーカー曰く「値段を上げず13種類入りにしたのは企業努力の賜物」と。確かに。)

このワクチン普及により高齢者の肺炎球菌罹患者が減少した、という好ましい側面もあります。

おそらく全てのワクチンの中で最も接種時に痛い部類です(さらに腫れ赤みも強くしこりも残りやすい)。直後にロタウイルスワクチン(味が甘い)を飲むと少し機嫌をなおしてくれることもあります。

 

ちなみに全く個人的な意見ですが、

接種に伴う痛み

肺炎球菌 >> 4種・日本脳炎 > インフルエンザ(季節) > HibB型肝炎・MR・水痘・おたふく >> 2種混合DT

しこりの残り方(アルミニウムアジュバンド含有のワクチンはしこりになりやすい):

肺炎球菌 > B型肝炎 > 4種 > 2種混合DT > インフルエンザ(季節)・HibMR・水痘・おたふく

の印象です。

 

B型肝炎ワクチン(定期・不活化)

B型肝炎:肝炎・肝癌の原因となります。B型肝炎ウイルスの注意すべき点は感染しても症状がすぐには分からず、住み着いてしまい(キャリア)、中年以降に肝臓がん等で初めて自身の感染が分かり、かつそれはパートナーに感染させてしまった後である、ということが起きうる点です。かつては輸血・性交が主たる感染経路とされましたが、現在は唾液・尿・涙液中にウイルスがいることが分かり、「園で噛まれて感染した」「アトピー性皮膚炎でバリアの不十分な皮膚から感染した」例もあるようです。1歳までに定期接種を終える日程となっておりますが1歳以降に接種するより桁違いに高い抗体価(文字通り桁が違います)を得られるとするデーターもあり理にかなっているなと思います。尚、1歳以降の接種となっても意味は十分にあります。(私は医学生の時に接種しましたが20年くらいは抗体が維持されておりました。)

 

ロタウイルスワクチン(現状任意(202010-定期化予定)・生)

飲むタイプのワクチンです。146日までに接種開始要です。ウイルス性胃腸炎の3大起炎ウイルス(ロタ・ノロ・アデノ)のうち、最も嘔吐下痢等の症状がしつこく重篤な脱水を起こしやすい(「仮性コレラ」の別名あり)ロタウイルスに罹患・重症化しにくくなります。ロタウイルスは経口(便に出てきたウイルスが机やドアノブに付着し手などから口に入る)感染します。強い感染力です。世界的にはロタウイルス感染症により5歳未満に限っても年間50万人程度亡くなっています。まれに脳炎も起こし重症化します。

実際にはほとんど出会いませんが、ワクチン接種による「腸重積」という病気の合併には一応注意を払う必要があります。

2種類のワクチンがあります

1価(ロタリックス):株1種類入り。他の株にも効果あり。2回接種。味が甘い。

5価(ロタテック):株5種類入り。3回接種。味が甘塩っぱい。

両者の効果は同等(1価2回接種=5価3回接種で統計学的有為差なしとするデーターあり)です。

1価で開始したら1価、5価で開始したら5価で通します。当院ではどちらも接種可能です。個人的な意見ですが推奨は1価(ロタリックス)です(味が良く量が少ない・適度なとろみがあり誤嚥が少ない・3回接種の場合3回目がネックになるケースがある(痙攣・川崎病等に罹患し接種出来ない・接種後のタイミングでたまたま点頭てんかんを発症し治療(ACTH療法)に影響、等)。

尚、当クリニックではスタッフ・医師で常に嚥下を確認しながら接種しています。多少吐き出してしまうケースもありますが問題なく、効果は十分に期待できます(通常の(野生株)ロタウイルスはウイルス数10¹-10²個で感染成立するとされる一方、ワクチンには、1価ワクチン:10-10⁶個相当/アンプル、5価ワクチン:10-10⁷個相当/アンプル、と非常に十分な量が量入っている為)。

 

・生後3ヶ月

前の接種から4週間(27日以上)あけて、

上記4つの2回目+ 4種混合 1回目 を接種しましょう。

 

4種混合 DPT-IPVワクチン (定期・不活化)

下記の混合ワクチンです。

 

D: Diphtheria ジフテリア

ジフテリア菌の飛沫感染で起こります。感染すると高熱、喉の痛み、犬が吠えるような咳、激しい嘔吐などが起こります。喉頭部の腫脹によって窒息死することもあります(真性クループ)。菌の出す毒素によって心筋炎や神経麻痺を起こすこともあります。

近年、国内での感染はほとんどありませんが、過去には重症者が出ていました。

 

P: Pertussis 百日咳

百日咳菌の飛沫感染で起こります。乳児が罹患すると咳が長引く、又、重篤な呼吸困難・低酸素脳症を来す可能性がある、特に注意すべき病原体です。通常の病原体に対しては母親からの移行免疫があり通常カゼを引きにくいとされますが、百日咳に対しては移行免疫の効果が期待できないため赤ちゃんでも重症化しやすいです。学童期以降はワクチンで獲得した免疫が低下することにより、学童以降―成人の感染が増加傾向ですが症状としては咳が長引く程度で、結果、診断に時間がかかる場合があります。咳が長引く方はあまり赤ちゃんに接触しないようお願い致します。

 

T: Tetanus 破傷風

地面にいる=どこにでもいる菌です。けがをした傷口から菌が入り、痙攣や麻痺を来す死亡率の高い疾患です。ワクチン(44回と2種DT 1回)すると20代前半まで位抗体が維持されるとする報告があります。

 

IPV: Inactivated Polio Vaccination 不活化ポリオワクチン

ポリオウイルス:感染した人の便中に排泄されたウイルスが口から入り腸などに感染します。ウイルス学上の分類は手足口病等でおなじみのエンテロウイルスに属しますが、このウイルスは脊髄前角という神経伝達経路に感染し、後遺症を伴う麻痺を起こす(感染する場所により下肢・上肢・呼吸筋(死に至る)等)場合があるのが注意すべき点です。

日本において約40年前を最後に野生株による感染はありませんが、アフリカ・南アジアの一部の国では依然として流行が散見され持ち込まれる可能性があり予防が必要です。

フランクリン・ルーズベルト アメリカ合衆国元大統領(第二次世界大戦参戦時の大統領)が罹患していたことでも知られています。

以前の生ワクチン(経口)では非常にまれに接種後の麻痺が認められていましたが、2012年以降の不活化ワクチンには病原性はございません。尚、余談ですがポリオ生ワクチンは日本で1960年の大流行時(5000人以上)緊急輸入され日本を国難から救ってくれたという歴史があり、時代の流れにより求められる医療も変わるのだなと感じます。

 

生後4ヶ月

前の接種から4週間(27日以上)あけて、

Hib 肺炎 (ロタ:5価の場合) 3回目+ 4種 2回目 を接種しましょう。

 

生後5ヶ月

前の接種から4週間(27日以上)あけて、

4種 3回目 + BCG を接種しましょう(BCG接種推奨月令:5-8ヶ月)。

 

BCG(定期・生)

結核を予防するワクチンです。いわゆる「はんこう注射」です。

ウシ型結核菌を経皮接種します。経皮接種のしくみ上、接種部位に湿疹がある場合は、事前にある程度保湿・ステロイド剤などで改善させておく必要があります。

特に乳児期に結核に感染すると、呼吸器にとどまらず結核菌感染が全身に及ぶことが成人に比べて多く、特に結核性髄膜炎は診断・治療のしにくさ、後遺症の重篤さから大変に難しい病気と言えるでしょう。乳児期に罹患する全身結核感染を予防する上で重要なワクチンです。発症をおよそ1/4程度に抑えます。

接種痕が残ります。接種時には児の固定をしっかりと行う必要があります。赤ちゃんご自身の利益の為ですのでご理解ください。

接種数日後に接種部位が膿む場合は「コッホ現象」(接種時点で既に体内に結核菌がいて接種に対して過剰に免疫応答する現象。特に問題ない「偽コッホ」も多い・・・)の可能性ありご相談ください。

免疫が持続する期間は生涯ではなく、10年-15年程度とされています。

コロナウイルス感染予防の効果については、よく分かりません。「あくまで乳児の重症結核を予防するワクチン」という認識で良いと考えます。

 

これで予防接種は3ヶ月くらいお休みです。親御さん保護者さん・お子さんともども、ひとまずお疲れさまでした。

 

生後8ヶ月(初回接種から約半年後)

B型肝炎(3回目)を接種しましょう。

 

1歳

以下の5つを接種しましょう。

Hib追加(最終から最低7ヶ月あける) 肺炎球菌 追加 MR(麻疹風疹混合) 初回 水痘 初回 おたふくかぜ 初回 (5つ同時接種)

または

Hib+肺炎球菌 1週後に MR+水痘+おたふくかぜ

で良いと考えます。

 

鶏卵アレルギーと予防接種について

麻疹、おたふくかぜ、インフルエンザウイルスワクチンは鶏卵を原材料に用いますが、当クリニックでは鶏卵アレルギーがあってもほぼ通常に接種しております。

(黄熱病・狂犬病ワクチンも卵成分が関連しますがここでは除外)

麻疹、おたふくかぜワクチン:製造過程で胚細胞浮遊液を用います。主たる鶏卵アレルギーの抗原である卵白アルブミンとは「別物」です。

インフルエンザウイルスワクチン:卵白アルブミン混入は非常に微量です。発育鶏卵にウイルスを接種し培養→ウイルス採取→精製・不活化、等で作成しますが、最終的には、「数ng(ナノグラム)/ml(メーカーパンフによる)」です。どれだけ微量かというと、グラムの1/1000がミリグラム、ミリグラムの1/1000がマイクログラム、マイクログラムの1/1000がナノグラム・・・一回の乳児接種量は0.25mlなので、1回あたり数ng/4=1ng未満。仮に1g(1円玉の重さ)の卵白アルブミンをワクチンから得るには1000x1000x1000=3歳未満児10億回接種分でもまだ到達しない計算となります(笑)。

 

MR 麻疹風疹混合ワクチン (定期・生)

麻疹:

「はしか」とも呼ばれます。10日前後の潜伏期の後、発熱・咳や鼻汁→一過性の解熱傾向・koplic斑(頬の粘膜が赤くなり正常な粘膜部分が斑点の様に見える)出現→再度の発熱・発疹、の経過を取るのが症状としての特徴です。

空気感染・飛沫感染・接触感染します。感染力が非常に強く、同じ部屋にいるだけで空気感染にて感染する可能性があります。一時的に免疫を低下(リセットする、とする報告もあり)させ、細菌2次感染を合併(中耳炎や細菌性肺炎)することが多いです。細菌感染とは別に間質性肺炎を合併することがあり、時に致死的です。まれに(10万人に1人)感染後10年程度経過して亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれる脳炎を発症し、知的障害・運動障害が進行していくことも報告されています。

2015年、日本はWHOにより麻疹排除状態と認定されましたが、海外から持ち込まれた麻疹が流行するケース(2016年千葉県等)もあります。

個人的には1998年の大流行時(この流行をきっかけに麻疹ワクチンが2回接種となった)多くの患者さんを最前線で拝見しました。間質性肺炎が重症化するとなかなか難しく大変残念ながら亡くなった方もいらっしゃいます。絶対にワクチンで予防すべき疾患、と考えます。

 

風疹:

「三日はしか」とも言われます。飛沫感染します。2-3週の潜伏期を経て発熱・発疹・首のリンパ節腫れ等の症状が出ます。本人の症状は軽症で済む場合が多いですが、年長児での重症化、まれに脳炎・血小板減少性紫斑病を合併する場合があります。

この病気の注意すべき点は、妊婦さんが妊娠初期にかかると胎児に重大な障害(先天性心疾患・難聴・白内障など:先天性風疹症候群)を引き起こす可能性があることです。集団免疫が重要であり、実際に坂戸市鶴ヶ島市では成人男性に対して風疹抗体検査・予防接種が公費で行われています。

 

水痘ワクチン(定期・生)

水痘:「みずぼうそう」とも呼ばれます。空気感染・飛沫感染・接触感染します。約2週強(ばらつきあり)の潜伏期を経て、痒みや周囲の赤みを伴う水疱・頭皮の発疹・古い水疱がかさぶたになる一方で新しい水疱が出現し新旧混在する、が症状として特徴的です。ワクチン接種後に発症すると症状が軽く、典型的でない場合もあります(水痘診断用検査キットも有)。ワクチン1回接種で70%強、2回接種でおおよそ95%の予防率です。

健康な小児が罹患してもだいたい軽症で済みますが、まれに重症肺炎や中枢神経合併症を起こします。特に重要な点は、抗がん剤使用時等免疫が不十分な方が罹患するとしばしば致死的であると言う事実です(この場合赤色の水疱が出来ると言われています)。個別免疫に加え集団予防の上でもとても大事なワクチンと言えましょう。

高齢者では帯状疱疹(水痘にかかった後ウイルスは完全には排除されず潜み続ける。疲れたり免疫が落ちたりすると帯状疱疹という形で同じウイルスが再活性化・顕在化)ワクチンとして同一のワクチンが接種されます。

 

おたふくかぜワクチン(任意・生)

おたふくかぜ:ムンプスウイルスによる感染症です。飛沫感染・接触感染します。約2週強の潜伏期の後、典型的には唾液腺(耳下腺・顎下腺)が腫れます。発熱を伴う場合があります。感染しても症状が出ない(不顕性感染)場合もあります。重症化せず治る場合が多いですが、合併症には注意を要します。特に数千から千人に1人発症する難聴は治りにくく、「一生片方の耳がほぼ聞こえない状態」となります。他、合併症として髄膜炎、精巣炎(成人になって罹患するととても辛い)・卵巣炎、膵炎等があります。

 

1歳半

水痘ワクチン追加・4種混合ワクチン追加を接種しましょう。

(4種混合(3回目)終了約1年後後・水痘初回終了約6ヶ月後をメドに)

 

これで定期ワクチンは原則3歳までありません。

・インフルエンザウイルスワクチン等任意はその都度検討しましょう。

・日本脳炎ワクチン(詳細後述):東南アジア等、日本脳炎罹患のリスクが高い地域を旅行する・海外赴任の予定がある、等事情があれば3歳より前に(生後半年から)半量にて早期接種も出来ます。

 

3歳

日本脳炎ワクチン(定期・不活化)1期初回1回目 3-4週後に初回2回目、を接種しましょう。

日本脳炎:

日本脳炎ウイルスによる感染症です。感染後の発症率は100から1000人に1人と高くはありませんが、いったん発症(急性脳炎:高熱・頭痛・嘔吐・意識障害・痙攣)すると、致死率20-40%、生存者の40-70%に後遺症を残すと言われている重篤な疾患です。世界では毎年6万人以上の患者が発生し2万人程度が命を落としている、という推計もあるようです。

南アジアから東南アジア、東アジアにかけて広く分布します。ブタの体内で増殖し、そのブタを刺したコガタアカイエカという蚊にヒトが刺されることで感染します。コガタアカイエカは平たいきれいな水を好みます。流行地においてヒト+ブタ+水田があれば、感染に要注意です。顕在化しにくい感染症ではありますがブタ血中の抗体価を調べれば流行状況が把握できます。2019年報告で調査したブタの抗体保有率が80%超の地域もあり(九州北部・四国の一部で)日本でもある程度の流行はあるようです。

余談ですがネッタイシマ蚊が媒介するデング熱は都市部に多く、ハマダラ蚊が媒介するマラリアは都市部に少ない、等媒介する蚊の生態により流行地域に差があるようです。そもそもの虫除けも重要ですね。虫除け薬としては、一般的なDEET、乳幼児にも比較的安全とされているイカリジン(試してみましたが個人的にはあまり効果なかった印象)、があります。

 

おたふくかぜ追加

日本脳炎ワクチン初回2回目 または 日本脳炎ワクチン1期追加 または MRワクチン2期 と同時に接種しましょう。

 

4歳

日本脳炎ワクチン1期追加を接種しましょう。

これで約5年間抗体が維持されます。

(この接種をサボると抗体価が落ちてしまいます。この接種は重要です!)

 

-6歳(年長さん)

MRワクチン2期を接種しましょう。

できるだけ年長さんになってすぐに!

 

9歳

日本脳炎2期を接種しましょう。

 

11歳

二種混合DT(ジフテリア・破傷風)を接種しましょう。

 

小児における定期ワクチン(子宮頸がん除いて)は、以上です。

インフルエンザウイルスワクチンにつきましては、シーズンに入る前くらいをにメドにアップ予定とさせてください。